社会保険の基本を解説!個人事業主が知っておくべきポイント
社会保険(しゃかいほけん)とは、病気やケガ、失業、老後といった人生のリスクに備えるために、国が中心となって運営している公的制度の総称です。国民一人ひとりが加入し、保険料を負担することで、必要なときに医療費の軽減や給付金、年金などの保障を受けられる仕組みになっています。
つまり「もしものときの安心を支えるセーフティーネット」であり、日本の社会制度を支える柱のひとつです。

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社会保険の役割
社会保険の最大の目的は、国民一人ひとりの生活を安定させることです。私たちが日常生活を送る中で直面するリスクはさまざまですが、その多くは個人や家庭の力だけで対処するのは難しいものです。そこで、社会全体で負担を分かち合う仕組みとして社会保険が存在します。
医療費の負担を軽減
たとえば、病気やケガで高額な医療費がかかる場合、社会保険がなければ全額を自己負担しなければなりません。数十万円から場合によっては数百万円にもなる治療費は、多くの家庭にとって大きな打撃です。しかし、社会保険に加入していれば、自己負担は一部に抑えられ、高額療養費制度などによって経済的な不安を和らげることができます。
失業時の生活保障
また、雇用保険などの仕組みにより、失業した際にも一定期間、給付金が支給されます。突然の失職で収入が途絶えても、次の仕事を探すまでの生活を支えるセーフティーネットが用意されているのです。
老後の収入を支える年金制度
さらに、老後の生活を支える年金制度も重要な役割を担っています。現役世代が支払う保険料によって高齢者の生活が支えられる「世代間扶養」の仕組みで、長生きしても収入が途切れないように設計されています。年金があることで、安心して老後を迎えられるのです。
年金制度は全員に関係しますが、会社員と個人事業主では負担や受給の仕組みが異なります。個人事業主と会社員の社会保険の違い を確認しておきましょう。
相互扶助の仕組み
このように社会保険は、一人では背負いきれないリスクを、社会全体で分かち合う仕組みです。病気や事故、失業、老後といった「誰にでも起こりうること」に対して、社会全体で助け合う仕組みがあるからこそ、国民全体の生活基盤が安定します。
社会保険は単なる制度ではなく、「国民の安心を守る共同体的な仕組み」とも言えるのです。
社会保険の主な種類
本の社会保険制度は、大きく以下の5つに分類されます。
- 医療保険(健康保険、国民健康保険など)
- 年金保険(厚生年金、国民年金)
- 雇用保険
- 労災保険
- 介護保険
会社員や公務員は、勤務先を通じて健康保険や厚生年金に自動的に加入します。一方、個人事業主やフリーランスは「国民健康保険」「国民年金」といった形で、自分で加入・管理する必要があります。
会社員と個人事業主の違い
社会保険において、会社員と個人事業主には大きな違い があります。
- 会社員
給与から自動的に保険料が天引きされ、健康保険や厚生年金に加入。保険料は会社が半額負担してくれるため、自己負担は半分で済みます。 - 個人事業主
「国民健康保険」「国民年金」に加入するのが基本。保険料は全額自己負担となり、保障内容も会社員よりシンプルです。
また、原則として「雇用保険」や「厚生年金」には加入できません。
個人事業主が選べる社会保険制度
個人事業主が加入する主な制度は次のとおりです。
- 国民健康保険
市区町村が運営。前年の所得や世帯人数によって保険料が決まります。 - 国民年金
全国民が加入する基礎年金。20歳以上60歳未満は必須。付加年金を追加して将来の受取額を増やすことも可能です。 - 国保組合(国民健康保険組合)
業種ごとに設立されている保険組合。保険料が定額制のことが多く、所得が高い人に有利。 - 健康保険の任意継続
会社員時代の健康保険を最長2年間継続できる制度。所得や扶養家族の状況によっては国保より安くなる場合があります。 - 労災保険(特別加入制度)
建設業や運送業などリスクの高い職種は、事業主本人でも「特別加入」で労災保険に入ることが可能です。
まとめ
社会保険は、病気・ケガ・失業・老後といった人生における大きなリスクに備えるために国が整えた仕組みであり、日本社会を支える基盤そのものです。
- 会社員の場合
給与から自動的に保険料が天引きされ、会社が半額を負担してくれるため、特別な手続きをしなくても「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」といった社会保険に加入できます。いわば、会社が個人に代わって制度を整えてくれている状態です。 - 個人事業主の場合
基本は「国民健康保険」と「国民年金」への加入で、保険料は全額自己負担。さらに、任意継続や国保組合、小規模企業共済や付加年金といった補完的な制度も、自分で調べて取捨選択する必要があります。
つまり、個人事業主にとって社会保険は 「守られる制度」ではなく「自ら組み立てる制度」 です。情報を集め、自分に合った選択肢を決め、長期的なライフプランを描くことが欠かせません。
フリーランスや自営業という働き方が増えている今だからこそ、社会保険の仕組みを正しく理解し、将来の安心をつくる行動が求められています。 のです。
