国民健康保険組合とは?|意味と仕組みをやさしく解説【用語集】

国民健康保険組合とは、同じ業種や職業に従事する個人事業主やフリーランスが加入できる、国民健康保険の一種です。通常の「市区町村が運営する国民健康保険」とは異なり、業界団体などが設立・運営する保険制度で、独自の給付や保険料体系を持っています。

国民健康保険組合は、国民健康保険法に基づいて認可された団体が運営し、例えば「建築業」「医師会」「理美容業」「印刷業」など、同業種の事業者が構成員となります。保険料や給付内容は組合ごとに異なり、組合員の特性に合わせた柔軟な制度設計が行われているのが特徴です。

国民健康保険法(◆昭和33年12月27日法律第192号)

【加入の主な対象例】

  • 個人事業主・フリーランス(理美容師、印刷業、建設業、医療関係など)
  • 同業団体・協会に所属している個人事業者
  • その家族(扶養家族を含む場合もあり)

【制度上のポイント】
国民健康保険組合は、市区町村の国民健康保険よりも保険料や給付内容に差があることがあります。たとえば、出産手当金や傷病手当金が支給される組合もあるなど、業種に応じたサポートが受けられる場合があります。ただし、加入には所属団体への登録や一定の資格要件が必要です。

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所得が増えたら検討したい「国保組合」の損得ライン

個人事業主にとって、国保組合の最大のメリットは「保険料が定額であること」です。

自治体の国民健康保険は「前年の所得」に応じて保険料が青天井に上がっていきます(上限あり)が、国保組合の多くは「所得に関係なく一律(例:月額3万円など)」です。
そのため、事業が軌道に乗り、年収(所得)が一定ラインを超えたタイミングで国保組合へ切り替えると、年間数十万円単位で固定費を削減できる可能性があります。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 所得が低いと割高になる: 定額制のため、開業直後などで売上が少ない時期は、自治体の国保の方が安いケースが大半です。
  • 扶養の概念がない場合が多い: 自治体の国保と同様、家族一人ひとりに保険料がかかる組合が多いです(※組合によります)。
  • 入れる業種が限られる: 建設業(建設国保)、クリエイター(文芸美術国保)、理美容師など、特定の業種に限られます。 軽貨物ドライバーの場合、加入できる組合が少ないのが現状ですが、地域の同業組合などを探してみる価値はあります。当サイトでまとめた全国の国民健康保険組合一覧も参考にし、探してみましょう。

年金などの老後の資金とは別に、日頃起こりうる疾病や病気に備え、安心できる状況を作っておきましょう。いずれにしろ、収益のバランスを見つめ直すのが良いでしょう。

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作成者
眞中 秀和
監修者


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