クラウド会計ソフトとは?仕組み・メリット・おすすめサービスを初心者向けに解説

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「帳簿づけ」「確定申告」「経費管理」これらの言葉に苦手意識を持つ個人事業主・フリーランスは多いでしょう。

昔は手書き帳簿やExcelで管理するのが一般的でしたが、近年はクラウド会計ソフトの登場により、経理のあり方が大きく変わりました。銀行口座やクレジットカードと自動連携し、取引データを自動で仕訳。確定申告書までワンクリックで作成できる時代になっています。

この記事では、

  • クラウド会計ソフトの仕組み
  • 導入するメリット
  • 代表的なサービス比較
  • どんな人に向いているか

を初心者でもわかりやすく解説します。

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作成者
眞中 秀和
監修者

目次

クラウド会計ソフトとは?基本の仕組みを理解しよう

1. 「クラウド会計ソフト」の定義

クラウド会計ソフトとは、パソコンにインストールする従来型の会計ソフトとは異なり、インターネット上(クラウド)で会計データを管理できる仕組みのことです。ソフトを自分のPCに入れる必要はなく、ブラウザやスマホアプリからいつでもアクセスできます。

簡単に言うと:

「経理をインターネット上で自動化・共有できる仕組み」

データはクラウドサーバーに保存されるため、PCが壊れてもデータが消える心配がありません。また、複数デバイスで同時にアクセスできるため、自宅・外出先・スマホのどこでも帳簿を確認できます。

2. クラウド会計の基本構造

クラウド会計ソフトは、以下の3つの機能が中核です。

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機能内容メリット
自動仕訳銀行・クレカ・電子マネーの取引を自動で仕訳手入力不要、ヒューマンエラー削減
データ一元管理領収書、請求書、売上などを一括管理手続き効率化・確認ミス減少
申告書自動作成青色申告決算書・確定申告書を自動生成税知識がなくても申告可能

これらをクラウド上で連携させることで、「経理をほぼ自動化」するのが特徴です。

3. 従来の会計ソフトとの違い

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比較項目クラウド会計ソフト従来型ソフト(インストール型)
データ保存クラウド(オンライン)ローカル(PC内)
更新自動で最新税制に対応手動アップデートが必要
利用端末PC・スマホ・タブレットインストールしたPCのみ
料金体系月額・年額制(サブスク)買い切り・手動更新
連携機能銀行・クレカ・請求書アプリとAPI連携なし(手入力中心)
データ共有税理士・経理担当と同時閲覧可ファイル送付が必要

つまり、クラウド会計ソフトは「手間を減らす」「どこでも使える」「最新制度に対応」という3つの点で優れています。

クラウド会計ソフトの仕組みをもう少し詳しく

1. 銀行口座・クレジットカードとの自動連携

多くのクラウド会計ソフトは、金融機関と安全にAPI連携して取引データを自動取得します。たとえば楽天銀行・三井住友・ゆうちょ・PayPay銀行など、ほとんどの主要口座に対応しています。

  • 取引内容(例:Amazon購入、ガソリン代、振込入金)を自動で取得
  • AIが内容を分析して「通信費」「消耗品費」など自動仕訳
  • あとは確認して承認するだけ

仕訳を手入力する必要がほとんどなくなり、経理作業を月数時間レベルに短縮できます。

2. 領収書・レシートをスマホで撮影して自動反映

領収書を溜め込む時代は終わりました。クラウド会計ソフトでは、スマホアプリでレシートを撮影するだけでAIが金額・日付・店名を読み取り、自動仕訳してくれます。

手順イメージ:

  1. レシートをスマホで撮影
  2. AIがOCR(文字認識)で内容を読み取る
  3. 勘定科目を自動判定
  4. 仕訳データとして会計帳簿に登録

電子帳簿保存法にも対応しており、紙を保管する必要もありません。バックオフィスの完全ペーパーレス化が実現します。

3. 請求書や経費精算アプリとの連携

たとえば「マネーフォワードクラウド会計」なら、同グループの「クラウド請求書」「クラウド経費」とも連携可能。請求書を発行すると、自動的に仕訳データが生成されます。支払済みになると自動で消し込み処理まで完了します。

つまり、「請求 → 入金 →仕訳 →申告」まで一気通貫で管理できるというのが、クラウド会計の最大の利点です。

クラウド会計ソフトの主なメリット

メリット①:自動化による圧倒的な時短効果

最大の魅力は、やはり「経理時間の削減」です。自動連携とAI仕訳によって、従来のように1件ずつ入力する必要がなくなります。

例:

  • 従来:月間100件の仕訳に2〜3時間
  • クラウド導入後:自動連携+確認で30分

年間で見れば、数十時間単位の削減になります。確定申告時も、集計作業がほぼ不要になります。

メリット②:税務知識がなくても申告書が作れる

青色申告や白色申告に対応したテンプレートが用意されており、入力したデータを基に自動で決算書・申告書を作成。控除額の計算や提出書類のフォーマットも自動対応しています。

  • 青色申告特別控除(65万円)にも対応
  • e-Tax(電子申告)と連携可能
  • マイナンバーカードでそのまま提出OK

税務署の書類と照らし合わせる必要がなく、初心者でも安心して確定申告ができます。

メリット③:常に最新の税制・法改正に自動対応

税率や控除制度は毎年のように変更されますが、クラウドソフトは自動アップデートで最新制度に対応。消費税インボイス制度・電子帳簿保存法など、法改正に追随する仕組みが整っています。

つまり、「ソフトの更新を忘れて古い税率で申告してしまう」といったミスがなくなります。

メリット④:スマホでも操作できる

会計処理はパソコンだけでなく、スマートフォンからも可能です。出先で経費を登録したり、すぐに請求書を確認したりできるため、スキマ時間を有効活用できます。

  • 出張先で領収書を撮影して登録
  • カフェで請求書をチェック
  • 会計データをリアルタイムで把握

時間も場所も選ばない「モバイル経理」は、個人事業主にとって強力な味方です。

クラウド会計ソフトの注意点・デメリットも知っておこう

どんなツールにも利点と注意点があります。クラウド会計ソフトを導入する前に、以下の点も理解しておくことが大切です。

1. ネット環境が必要不可欠

クラウド会計はオンライン上で動作するため、安定したインターネット接続が必須です。通信環境が不安定な場所では動作が遅くなることもあります。また、オフライン環境では入力や確認ができません。

対策:モバイルルーターやテザリング環境を準備しておくと安心です。

2. サブスクリプション費用がかかる

従来の買い切り型とは異なり、クラウド会計ソフトは月額または年額課金制です。基本的に月1,000〜2,000円前後の費用が発生します。

初期投資は不要ですが、「サブスクでのランニングコスト」を事前に把握しておきましょう。

3. 最初は設定や仕訳ルールに慣れが必要

自動仕訳機能は非常に便利ですが、最初の設定や科目分類を誤ると、仕訳がズレてしまうこともあります。最初の1〜2ヶ月は、AIの自動判定を確認しながら調整することをおすすめします。

対策:クラウド会計ソフトには無料のサポートチャット・オンライン講習があるため、積極的に活用しましょう。

4. セキュリティ対策はサービス選びで決まる

クラウド上にデータを預けるため、「情報漏えいが不安」という声もあります。しかし、主要サービスはすべて銀行レベルのセキュリティ対策を導入しています。

  • 通信はSSL/TLSで暗号化
  • 二段階認証対応
  • 定期的なバックアップとデータ保全

信頼できる国内大手サービスを選べば、セキュリティ面のリスクは極めて低いと言えます。

おすすめのクラウド会計ソフト比較

ここでは、日本で利用者の多い代表的な3サービスを比較してみましょう。

1. freee会計(フリー)

特徴

  • 直感的な操作で初心者でも使いやすい
  • スマホアプリが充実しており、外出先でも経理可能
  • 自動仕訳機能が強力で、AIが最適な勘定科目を提案

向いている人

  • 会計初心者・フリーランス・副業者
  • スマホ中心で完結したい人
  • e-Taxまで一気にやりたい人

メリット

  • スマホ1つで確定申告まで完結
  • チャットサポートが丁寧
  • 銀行連携・クレカ対応が広い

クラウド会計ソフト | freee

「確定申告はfreee 会計ソフト – 会計アプリで青色申告」をApp Storeで

2. マネーフォワードクラウド会計

特徴

  • 法人利用にも強く、他のクラウドサービス(請求書・経費・給与)との連携性が高い
  • 見やすいレポート機能で経営分析がしやすい

向いている人

  • 法人・個人事業主問わず、ビジネスを拡大中の人
  • 経理・財務全体をクラウドで統合したい人

メリット

  • グループ内サービス(クラウド請求書・クラウド給与など)との一体運用が可能
  • 銀行明細との連携精度が高い
  • レポートやグラフが見やすく経営判断に活かせる

無料で試せるクラウド会計ソフト – マネーフォワード クラウド会計

3. 弥生会計オンライン

特徴

  • 長年の信頼を誇る会計ソフトのクラウド版
  • 税理士にも利用者が多く、連携しやすい
  • サポート体制が充実(電話・リモート対応あり)

向いている人

  • 従来型の弥生ユーザー
  • 税理士と共同で運用したい人
  • サポート重視の初心者

メリット

  • 操作感が従来型に近く、乗り換えやすい
  • オフラインデータのバックアップも可能
  • 初心者でも安心のカスタマーサポート

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クラウド会計ソフト導入の流れ

導入は非常に簡単で、基本的には「登録 → 連携 → 自動仕訳確認」の3ステップで完了します。

  1. アカウント登録
    メールアドレスと事業情報(屋号・業種など)を入力
  2. 銀行・クレカ連携設定
    ネットバンキングのログイン情報を入力して接続
  3. 自動仕訳の確認・承認
    AIが提案する勘定科目を確認し、承認するだけ
  4. レポート・申告書作成
    収支データが自動で反映され、青色申告書・確定申告書を自動生成

慣れてしまえば、月末の経理処理は10分以内で終わるようになります。

クラウド会計ソフトを選ぶ際のポイント

  1. 自分の事業規模に合っているか
    副業・個人事業主ならシンプルなfreee、法人ならマネーフォワードが向いています。
  2. 連携したいサービスがあるか
    請求書・経費・給与など、すでに使っているツールとの連携を確認しましょう。
  3. サポート体制の充実度
    チャットのみ/電話対応あり など、初心者はサポート重視がおすすめ。
  4. 操作のしやすさ
    無料体験で実際に触ってみて、画面の分かりやすさをチェック。

クラウド会計ソフトは“経理のパートナー”になる

経理は「義務」ではなく、「経営を見える化するための手段」です。クラウド会計ソフトを使えば、数字の管理が手軽になり、“経営判断のスピード”が劇的に上がります。

  • 経費の無駄にすぐ気づける
  • 売上推移をグラフで把握できる
  • 税金の見込みを早期に予測できる

つまり、クラウド会計は単なる「便利ツール」ではなく、あなたのビジネスのパートナーと言える存在です。

まとめ|クラウド会計ソフトで“数字に強い個人事業主”へ

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ポイント内容
仕組みインターネット上で会計データを自動管理
メリット自動仕訳・時短・最新税制対応・スマホ操作
注意点サブスク費用・設定慣れ・ネット環境が必要
おすすめfreee/マネーフォワード/弥生会計オンライン

クラウド会計ソフトを導入すれば、確定申告の負担が激減し、経営に集中できる環境が整います。これから個人事業主として活動を始める方も、すでに事業を運営している方も、“手作業の経理”から卒業する絶好のタイミングです。


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