軽貨物で使用する車両とは?「軽貨物車」「黒ナンバー」届出が必須です

軽貨物車両を選ぶとき、正しい車種選びはビジネスの効率と収益性を大きく左右する重要なポイントです。
同じ「軽貨物車両」といっても、価格や燃費、積載能力、快適性には大きな違いがあり、選び方を間違えると「思ったより荷物が積めない」「維持費がかさむ」「長時間運転で疲れやすい」といったトラブルに直結してしまいます。
特に、軽貨物運送業を始めたい方や、これから車両を買い替えようと考えている方にとっては、どの車種を選ぶかが業務の安定性や長期的なコストパフォーマンスに直結します。
この記事では、軽貨物車両の選択基準(予算・燃費・積載能力・疲労感)をわかりやすく解説するとともに、現場で評価の高いおすすめの3車種(日産NV100クリッパー・ダイハツ ハイゼットカーゴ・スズキ エブリイ)をご紹介します。
これから軽貨物ドライバーを目指す方も、すでに業務を行っていて車両選びに迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

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車種選びのポイント!
軽貨物車両は、ただ移動するための道具ではなく、ドライバーの仕事そのものを支える「相棒」です。
どの車を選ぶかによって、配達効率、経費、体への負担、さらには収益にまで影響が出ます。
たとえば、積載能力が不足すれば一度に運べる荷物が限られ、配達回数が増えてしまいます。反対に、大きすぎる車を選べば燃費が悪化し、維持費がかさみます。また、運転席の快適性や安全装備の有無によって、長時間運転時の疲労感や事故リスクも大きく変わってきます。
つまり、軽貨物車両の選択は「単なる車選び」ではなく、効率的で安全、かつ長期的に経済的な働き方を実現するための大事な投資です。
ここからは、車両を選ぶ際に必ず押さえておきたいポイントを4つに整理して解説します。
- 予算
- 燃費
- 積載能力
- 疲労感(安全性・快適性)
これらを踏まえて比較検討することで、自分のビジネススタイルに最適な車種を見つけることができます。
予算
予算は、車両選択時の出発点であり最も重要な基準です。
まずは「自分がどれくらい費用をかけられるのか」を明確にすることが、車選びの第一歩となります。
新車・中古車・リース、それぞれの選択肢
- 新車購入:初期費用は大きいものの、最新の安全装備や燃費性能が備わり、長期的に安心して使用できる。
- 中古車購入:価格を大幅に抑えられる一方で、メンテナンスや修理のリスクを想定しておく必要がある。
- リース契約:まとまった資金がなくても導入可能で、月々の支払いで利用できる。車検・メンテ込みのプランを選べば管理も楽になる。
特に軽貨物業務をこれから始める方にとって、リースは初期投資を抑えながら事業をスタートできる現実的な選択肢です。
業務規模に合わせた選び方
配達業務の規模や特性を理解することも大切です。
- 小規模かつ短距離配送が中心 → コンパクトで燃費の良い車種が適しており、コストパフォーマンスが高い。
- 大型荷物や長距離配送が多い場合 → 積載能力の大きい軽バンを選ぶことで、効率性を確保できる。
長期的なコストを意識する
予算は「購入費用」だけではなく、燃費・メンテナンス・保険料といったランニングコストも含めて考えることが重要です。短期的に安く済んでも、維持費が高ければ結果的に総コストは増えてしまいます。
予算内で最大限の機能を持つ車種を選定することが、経済的で持続可能な働き方につながります。
燃費
燃費の良い車種を選ぶことは、長期的に見て大きな経費節減につながります。たとえば、平均燃費が 10km/L の車と 15km/L の車では、年間2万km走行した場合、ガソリン代にして数万円以上の差が生まれることもあります。軽貨物ドライバーにとって「燃費の良さ」は、日々の収益を守るために欠かせない視点です。
燃費と業務効率の関係
燃費性能の高い車両を選べば、ガソリンスタンドに立ち寄る回数が減り、業務効率も自然と向上します。配送スケジュールに余裕が生まれることで、結果的にドライバーの負担も軽くなります。
環境性能と社会的評価
また、CO2排出量が少ない環境に優しい車種を選ぶことは、社会的責任を果たす姿勢として顧客からも高く評価されます。近年は企業が委託先を選ぶ際に「環境配慮型の取り組み」をチェックするケースも増えており、エコカーや低燃費車両を導入しているドライバーは仕事の受注面でも有利になる可能性があります。
技術の進化
最近では、アイドリングストップ機能やハイブリッドシステムを搭載した軽貨物車両も登場しています。これらは初期費用がやや高めですが、長期的には燃料コストを抑え、環境負荷の軽減にも貢献します。
燃費は単なる「ガソリン代の節約」だけでなく、効率性・環境性・信頼性を高める要素として考えることが重要です。
積載能力
運ぶ荷物の種類や量に合わせて、適切な積載能力を持つ車両を選ぶことが非常に重要です。
適切なサイズを選ぶ重要性
不必要に大きな車両を選んでしまうと、車体の重量が増して燃費が悪化するだけでなく、取り回しが悪くなり都市部や住宅街での運転が困難になるケースもあります。逆に、小さすぎる車両を選んだ場合は、荷物が収まらずに複数回往復しなければならず、時間とガソリン代の無駄が発生してしまいます。
軽貨物車の積載能力の目安
軽貨物車両の最大積載量は350kg程度と法律で定められています。その範囲内であっても、
- 軽トラック:背の高い荷物や大型資材に強い
- 軽バン:箱型の荷室で段ボールや商品を効率よく積載可能
といった違いがあり、業務内容に合わせて選択することが必要です。
荷室スペースと作業効率
積載量だけでなく、荷室の形状や積み下ろしのしやすさも大切なポイントです。スライドドアや観音開きのリアドアを備えた車種は、住宅街や狭い駐車スペースでも荷物の出し入れがスムーズです。特に宅配業務のように「1日に何十回も荷物を積み下ろしする仕事」では、ドア構造や荷室の床の高さがドライバーの疲労軽減に直結します。
積載能力を考える際には「どれだけ運べるか」だけではなく、どのように運ぶか、どんな荷物を扱うかという視点も欠かせません。自分の業務内容を具体的に想定し、効率的かつ安全に荷物を運べる車両を選ぶことが、長期的なビジネスの成功につながります。
疲労感
配達業務においては、ドライバーの安全と健康が最優先です。長時間の運転や頻繁な乗り降りは想像以上に体力を消耗し、疲労がたまると注意力が低下し、事故のリスクも高まります。そのため、車両選びの際には「疲労感をどれだけ軽減できるか」を必ずチェックする必要があります。
安全装備と運転支援機能
最新の軽貨物車両には、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、オートライトなどの先進安全装備が搭載されているモデルも増えています。こうした機能はドライバーの集中力を補助し、ヒューマンエラーを防ぐ役割を果たします。長距離配送や夜間運転が多い業務では、こうした装備があるかどうかが疲労感の軽減に直結します。
車内の快適性
疲労感を左右するのは、安全装備だけではありません。シートの座り心地やクッション性、運転姿勢の取りやすさ、エアコンの効きなど、車内の快適性も重要です。特に夏場や冬場は、空調性能がしっかりしているかどうかで集中力の持続時間が変わります。
日常の使いやすさ
軽貨物車は一日に何十回と乗り降りするケースも多いため、ドアの開け閉めのしやすさやステップの高さといった細かい部分も疲労感に影響します。スライドドアや低床設計のモデルであれば、作業の負担を大幅に軽減できます。
車両選びでは「積載量や燃費」に目が行きがちですが、実際にはドライバーの体への負担を減らす工夫が業務の効率化と安全につながります。疲れにくく、安心して長時間運転できる車両を選ぶことで、事故のリスクを減らし、結果的にビジネスの安定性も高まります。
おすすめ3車種!
それでは本題!今回はおすすめの3車種を紹介し、それぞれの特徴を比較します。
最適な車種選びの参考にしてください。
日産:NV100クリッパー
出典: 日産:NV100クリッパー [ NV100CLIPPER ] ビジネスセダン/バン | 外観・内装
価格が手頃で、予算を抑えたいドライバーにとって魅力的です。リースでもよく見かける車両ですね。
日産のNV100クリッパーは、広い室内空間で知られています。効率的な荷物の運搬が可能な広々とした荷室と、積み下ろしのしやすさ、総じて使いやすさが特長です。
さらに、安全装備もしっかりとしていて、燃費の良さも兼ね備え、安全性と経済性を高いレベルで実現しています。
リース契約でよくAGSを勧められますが、AGSはATと少し違う動きをします!
これを機会に、覚えておきましょう!
AGSとは、スズキスイフトなどの車両に搭載されたトランスミッションの一つ。MT(マニュアルトランスミッション)をベースにしていて、その際に必要なクラッチとシフト操作の二つを、電動油圧式アクチュエーターを使用することで自動化したAMT(オートメイテッドマニュアルトランスミッション)のこと。クラッチ操作が必要ないため、AT(オートマチックトランスミッション)限定免許でも運転できる。
出典:AGS(オートギヤシフト)|グーネット自動車用語集
ダイハツ:ハイゼットカーゴ
出典: 【公式】ハイゼットカーゴの外観・室内空間|ダイハツ
クリッパーと同じく、価格が手頃で予算を抑えたいドライバーにおすすめです。中古車屋さんでよく見かける車両ですね。
ハイゼットカーゴは、その高い人気と実用性で、多くのドライバーから選ばれています。狭い道路でも楽に運転できる抜群の小回りの利きやすさがあります。街中の配達や、複雑な道路状況でもストレスなく運転できる操作性を実現しています。
もちろん積載能力にも優れており、広々とした荷室スペースです。様々なサイズの荷物を効率良く運ぶことが可能で、荷物の積み下ろしも楽です。
ハイゼットカーゴはどの年代でも、新しめのシルエットをしており、その点が特に人気があるのかなと思います。
スズキ:エブリイ
出典: エブリイ|スズキ
クリッパーやハイゼットカーゴと比べると少し高めですが、機能性が抜群です!一種のステータスになる車両です。
スズキ エブリイは、そのコンパクトながら効率的な設計で、多くのドライバーに支持されています。小型の外観とは裏腹に、うまく実現した広い荷室スペースは、小規模ながら多くの荷物を運ぶ必要がある案件に最適です。
快適な乗り心地と、高い信頼性、耐久性もスズキ エブリイの大きなメリットです。長時間の運転でも疲れにくい設計と、長期間にわたって安定した性能を保つ耐久性は、日々の業務においてドライバーの負担を軽減します。
また、経済的な運用を可能にするこれらの特性は、運転するすべての人にとって価値ある投資と言えるでしょう。
軽貨物車両のおすすめ車種まとめ
軽貨物車両を選ぶ際には、予算・燃費・積載能力・疲労感という4つのポイントを軸に、自分のビジネススタイルに合った車種を比較検討することが何より重要です。
単に「安いから」「人気だから」と決めるのではなく、
- 長期的なコストパフォーマンス(購入費・維持費・燃費)
- 荷物の運搬効率(積載量・荷室設計・出し入れのしやすさ)
- ドライバーの負担軽減(快適性・安全装備・乗り降りのしやすさ)
を総合的に見極めることで、結果として効率的かつ経済的な業務運営につながります。
さらに、購入だけでなくリース契約を活用する選択肢もあります。リースなら初期費用を抑えられるだけでなく、車検やメンテナンス込みのプランを選べば日常管理の負担も軽減できます。加えて、販売店やリース会社のサポート体制も事前に確認しておくと安心です。万が一の故障時や車両トラブルが発生した際に、相談できる窓口があることは業務継続に大きな安心感をもたらします。
この記事で紹介した 日産NV100クリッパー・ダイハツ ハイゼットカーゴ・スズキ エブリイ は、それぞれに異なる強みを持ち、軽貨物運送業の現場で高い支持を得ています。どの車種を選ぶかは、あなたの配送スタイルや事業規模次第です。
車両選びは、単なる移動手段の購入ではなく、働き方と収益を支える投資です。ぜひ自分のニーズに合った一台を見つけ、効率的で安定した配送ビジネスを実現してください。
