軽貨物「日極と個建」の違い【読み方は(ひぎめ)と(こだて)】契約の種類、単価方式

軽貨物の「日極」と「個建」

今回は「日極と個建」の違いを解説します。
前置きはさておき...早速、見ていきましょう!

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「日極」とは、1日の稼働を完了することで決まった金額を受け取れる報酬形態のことを指します。
この報酬形態では、配達や作業の個数ではなく、実際に稼働した日数に基づいて月給が計算されます。
特に、通販会社の物流部門や配送業務において採用されることが多い報酬形態です。
※配れなくても貰える金額。と考えてしまうと危険です。あくまでその日の稼働を完了する!です。

日極の計算例

  • 1ヶ月に22日間稼働し、1日あたりの報酬が18,000円である場合、その月の報酬は以下のように計算されます。
    • 月22日稼働 × 18,000円 = 月報酬396,000円

日極報酬の特徴

  • 配達個数に依存しない:極端な場合、配達個数が多くても少なくても、稼働日数に基づいた報酬が保証されます。
  • 安定した収入が見込める:月に稼働する日数が事前に決まっていれば、その月の収入をある程度予測することが可能です。
  • 通販会社案件に適用されやすい:特に通販会社では、季節による注文数の変動が激しいため、日極報酬制度により、収入の安定を図ることができます。

日極報酬のメリット

  • ドライバーのメリット:稼働日数が保証されているため、一定の収入を安定して得られる。
  • 企業側のメリット:作業の効率化や配達個数のプレッシャーからドライバーを解放し、士気の向上や長期的な契約安定に繋がります。

日極報酬制度は、特に物流が重要な業務の一環となる通販業界などで有効な手段として活用されています。
ドライバーにとっては収入の安定を、企業にとっては労働力の確保とモチベーションの維持を実現することができる報酬形態です。

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「個建」は、荷物の配達完了数に応じて報酬が決まる仕組みです。
配達完了した荷物の数が直接、収入に影響します。
また再配達になった荷物は、報酬の対象外となります。
※再配達は配達完了にはなっていないため
この制度は、成果に応じて報酬が変動する、いわゆる完全出来高制です。

【例】
日に100個の荷物を配達し、1個あたり150円の報酬がもらえる場合、1日の報酬は15,000円になります。
これを月22日続けると、月収は330,000円に達します。

特に、大手運送会社ではこのような報酬形態を採用していることが多いです。
もし、一日に配達できる荷物の数が平均を超える場合、例えば120個以上配達できるならば、この制度の方が収入が増える可能性があります。
配達能力が高い人にとっては、より魅力的な報酬形態と言えるでしょう。

最低保証が付いている給与体系は、一見安心材料のように感じられます。
しかし、この制度を選択する際には注意が必要です。
最低保証を過信することは、思わぬ落とし穴になることもあります。

【留意点】

  • 荷主や元請けからの荷物の量は変動する
    配達すべき荷物の数は、荷主や元請け側によって決められます。
    そのため、ある日は200個を超える荷物があるかもしれませんし、別の日には遠方への配達が多くなることもありえます。
  • 最低保証に依存するのは危険
    最低保証があるからといって、それに安心してしまうと、実際の業務量や労働条件を見落とす可能性があります。
    報酬は業務の完了に対して支払われるものであり、単に時間が経過したからといって受け取れるわけではありません。
  • 現実的な配達数の設定
    多くの場合、最低保証は現実的に配達可能な荷物の数を基準に設定されています。
    しかし、ご自身の配達完了がその数に達しない日が続けば、契約に影響が出る可能性もあります。

最低保証制度は、一定の収入を保証してくれる安心材料になりますが、それだけで仕事を選ぶのは危ないです。
配達の量や条件、自身の能力とのバランスをよく考え、総合的に判断することが重要です。

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「日極と個建」「完全出来高と日給保証」どちらの報酬形態が適しているかは、個人の状況により異なります。

日極制度では、荷主や元請けが配達以外の時間を最小限に抑え、配達数を最大化する努力をしています。
例えば、通販会社の案件では、配達をスムーズに行うために置き配を中心にする、荷物の積み込み時間を通常より短縮する(一般的には1時間程度を要する作業)などの工夫がされています。
最近では、配達ルートの最適化にAIを活用するケースも増えています。

一方で、個別報酬制度では、通販系の日極制度と比較して、一個当たりの単価が高めに設定されていることが一般的です。
その代わり、直接顧客との対面や再配達の機会が多くなります。
また、一定の範囲内で配達数を自分で調整できるのも特徴です。
例えば、最初は一日に80個の配達からスタートし、徐々に100個へと増やしていくことも可能です。
ただし、これは配達コースの状況にも左右されます。

選択肢として、日極制度の方が良いのか、それとも個別報酬制度の方が適しているのかは、配達作業だけに集中したいのか、それとも顧客との対面も重視したいのかなど、個人の好みや状況にもよります。

その他に考える点は多数ありますが、最終的にどちらの制度が自分に適しているかを判断するには、契約を検討している運送会社と直接話し合うことをおすすめします。
自分の希望や条件を明確に伝え、納得のいく選択をすることが重要です。
※逆にいうと、選択がない会社は少し注意が必要かもしれません。

あわせて下請法も勉強しよう!